テレワークのメリット・デメリット|社員視点から考える課題と対策

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コロナ禍を契機に、多くの企業で急速に導入が進んだテレワーク。

社員にとってどのようなメリットや課題があるのかを整理することは、今後の制度設計や働き方の選択肢を考える上で重要です。

本記事では、社員視点からみたテレワークのメリットとデメリットをそれぞれ4つずつ提示し、課題解決のための対策もあわせて解説します。

目次

テレワークとは

テレワークとは、「tele=離れたところ」と「work=働く」を組み合わせた造語で、ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方を指します(総務省「テレワークの推進」より)。

働く場所によって、

在宅勤務(自宅を就業場所とする働き方)

モバイルワーク(移動中や出先で仕事を行う働き方)

サテライトオフィス勤務(会社や自宅以外の拠点オフィスを利用する働き方)

の3種類に分類されます。

当初は働き方改革の一環として推進されていましたが、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、より多くの企業が導入するようになりました。

社員視点でのテレワークのメリット4つ

テレワークは、働き方の柔軟性を高め、社員の生活やキャリアに多くのプラスをもたらします。以下では、社員が実感しやすい代表的なメリットを4つ紹介します。

通勤時間や通勤ストレスが解消される

出勤が不要となるため、通勤時間を削減できます。満員電車による身体的・心理的負担を軽減できるほか、その時間を家族との時間や自己研鑽、趣味などに充てることが可能です。結果として、ワークライフバランスの向上につながります。

居住エリアを自由に選べる

勤務地に縛られず、通信環境さえ整えば全国どこでも勤務が可能です。「自然豊かな地域で子育てをしたい」「親の介護のために実家近くで暮らしたい」といったライフスタイルに応じた住居選択がしやすくなります。

集中できる労働環境を整えられる

自宅やサテライトオフィスでは、自らの働きやすい環境を整備できます。オフィスでの電話応対や周囲の会話に左右されず、集中して業務に取り組むことができ、生産性向上にも寄与します。

育児や介護と両立できる

子育てや介護などを理由に制限されがちな働き方も、テレワークであれば柔軟に対応できます。送迎や介助といった家庭の事情に合わせて勤務時間を調整しやすく、継続的な就労が可能になります。

社員視点でのテレワークのデメリット4つ

多くの利点があるテレワークですが、その裏には見過ごせない課題もあります。これらを理解することは、制度を持続的に運用する上で欠かせません。以下に社員視点での主なデメリットを4つ挙げます。

長時間労働になりやすい

出勤・退勤といった物理的な区切りがなく、業務と私生活の境界が曖昧になりやすい傾向があります。その結果、勤務時間外にも仕事を続けてしまい、長時間労働につながる恐れがあります。

コミュニケーションが不足しやすい

遠隔環境では、社員同士のやり取りが限定され、情報共有や意思疎通に齟齬が生じやすくなります。表情や声色といった非言語情報を得にくいため、理解度の把握や信頼関係の構築が難しくなる場合があります。

正当な評価を受けにくい

業務プロセスが見えにくいため、成果物のみで評価されるケースが増えます。その結果、努力や勤務態度が十分に反映されず、社員が不公平感を抱く可能性があります。

運動不足になりやすい

通勤が不要になる分、日常的な移動が減り、運動不足に陥りやすくなります。長時間同じ姿勢で作業すると、肩こりや腰痛など身体への負担が増す懸念があります。

テレワークのデメリットを解消するための対策4つ

テレワークには多くの利点がある一方で、社員にとっては課題も存在します。しかし、これらの課題は工夫や制度設計によって改善が可能です。ここでは、代表的なデメリットを解消するための具体的な対策を紹介します。

タイムスケジュールの管理

始業・終業時間を明確に設定し、業務時間を自己管理することが重要です。勤怠管理システムを活用し、出退勤の打刻や勤務時間の記録を徹底すれば、長時間労働の抑制につながります。

コミュニケーションツールの活用

チャットツールやWeb会議システムを積極的に利用し、情報共有の頻度を高めるのが効果的です。定期的に顔を合わせる機会を設ければ、コミュニケーション不足の改善が期待できます。

評価制度の見直し

業務プロセスを把握しづらい環境に対応するため、成果物を重視する評価方法や目標管理制度を導入することが有効です。評価基準を明確化すれば、公平感を維持できます。

運動習慣の取り入れ

定期的なストレッチや散歩、ながら運動を取り入れることが推奨されます。30分に一度立ち上がるなど、小さな工夫が健康維持に役立ちます。

まとめ

テレワークは、通勤負担の軽減や柔軟な働き方を可能にする一方で、コミュニケーション不足や長時間労働といった課題も抱えています。

しかし、勤怠管理の徹底、ツールの活用、評価制度の改善、運動習慣の工夫といった対策を講じることで、デメリットは大きく改善できます。

企業としては、社員が安心して働ける制度設計を行うことが、生産性向上と人材定着につながります。今後の働き方を検討するうえで、テレワークを取り巻く利点と課題の双方を理解しておくことが不可欠といえるでしょう。

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