「子どもがなかなか言うことを聞いてくれない…」「良かれと思った言葉が、実は子どもの自信を傷つけているかも…?」ーそんな風に感じたことはありませんか?
毎日がんばっているのに、報われない気持ちになることもありますよね。
今回の記事では、保育士さんにおすすめしたい一冊、天野ひかり氏の『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』をご紹介します。
子どものやる気を引き出し、自己肯定感を育む魔法の言葉掛けが詰まっている一冊。
これを読めば、新人保育士さんだけでなく、ベテラン保育士さんの新たな発見にもつながるはずです。
明日からの保育が、もっと楽しくなるヒントを一緒にみつけましょう!
保育士の言葉掛けで子どもは変わる
天野ひかり氏の『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』を読んで、私が最もハッとさせられたことがあります。
それは、何気なく使っている言葉が、子どもの可能性を実は否定してしまっているかもしれないという事実でした。
この本が素晴らしいのは、難しい理論ではなく、具体的な「言葉のレシピ」を教えてくれる点です。
さらに、全ての事例が漫画で紹介されているので、情景が目に浮かびやすく、忙しい保育士さんでもサクサク読めるのが嬉しいポイント。
本の中では、主に以下の4つの視点から、言葉掛けのヒントを学ぶことができます。
- 無意識の「否定語」に気づく
「〜しないとダメだよ」「〜できたら褒めてあげる」といった条件付きの言葉は、子どもの意欲を奪ってしまいます。「早くしなさい」ではなく、「どうしたら楽しく準備できるかな?」と問いかけることで、子どもに考える機会を与え主体性を育みます。 - 「I(=私)メッセージ」で気持ちを伝える
「あなたは〜な子だね」と決めつけるのではなく、「〇〇してくれると、私はとても嬉しいな」と自分の気持ちを伝えることで、子どもは責められていると感じることなく、素直に話を聞くことができます。これは、子どもとの信頼関係を築く上で、とても効果的です。 - 結果ではなくプロセスを褒める
「すごいね、100点だ!」と結果だけを褒めるのではなく、「たくさん練習したから、こんなに上手に描けたんだね!」と、努力した過程を具体的に褒めることが大切です。プロセスをわかってもらった自信により、子どもは失敗を恐れずに様々なことに挑戦するようになります。 - 質問を投げかけて考えさせる
子どもが何かを失敗した時、「どうしてこんなことしたの?」と問い詰めるのではなく、「どうしたら次うまくいくかな?」と未来志向の質問を投げかけます。子ども自身に答えを見つけさせることで、問題解決能力が自然と身につきます。
この本に載っているのは、親子コミュニケーションで効果のある言葉掛けの例ですが、子育てだけでなく保育士と子どものコミュニケーションにも役立ちます。
私たち保育士が子どもとより良い関係を築き、子どもの自信と自己肯定感を育むための実践的なコミュニケーション術が満載の一冊です。
すぐ実践できる!場面別の言葉掛け3選

この本で学んだ言葉掛けのヒントを、実際の保育現場でどのように活かせるのか、場面ごとに具体例を提案します。
日々の保育の中で、ほんの少し言葉を変えるだけで、子どもとの関係をより良いものに変えていくヒントになるはずです。
場面1:朝の登園時
朝の支度は、子どもも保育士も焦りがちですよね。
つい「早く荷物を出して!」と急かしてしまう場面でも、次のように声をかけてみましょう。
「早くリュックから荷物を出して!」
「お着替え、おてふき、コップ…一緒に探してくれると先生嬉しいな」
「荷物が全部出せたら、先生に『できたよ!』って教えてね」
次にやるべきことへの具体的なヒントを与えたり、小さな目標を提示したりすることで、子どもの「自分でできた!」という達成感を引き出し、自立心を育むことができます。
場面2:お片付けの時間
お片付けは、多くの子どもが嫌がる活動の一つです。
命令口調になりがちなこの場面こそ、Iメッセージの出番です。
「ちゃんとお片付けしなさい!」
「〜先生は、ブロックをここに片付けるよ。一緒にやってくれると嬉しいな」
自分の気持ちを伝えることで、子どもは「片付けなきゃいけないんだ」という義務感からではなく、「先生を助けてあげたい」という気持ちから行動してくれるようになります。
場面3:お友だちとのトラブル時
おもちゃの取り合いなど、子ども同士のトラブルは日常茶飯事です。
つい「どうして叩いたの?」と原因を追及してしまいがちですが、これでは子どもは責められたと感じ、心を閉ざしてしまいます。
「どうして叩いたの?」
「〇〇くん、今どんな気持ちかな?」
「お友だちが叩かれて、悲しい気持ちになったみたいだよ」
相手の気持ちに寄り添う声かけを促すことで、子どもは「自分の行動が相手にどんな影響を与えたのか」を考えることができます。
自分で考えられるようになると、お友だちへの共感力や思いやりの気持ちが自然と育まれます。
まとめ
天野ひかり氏の『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』は、一冊の絵本を読むように、優しく、深く心に響く言葉が満載です。
子どもを否定する言葉から、子どもの可能性を伸ばす言葉へのヒントが、漫画付きでわかりやすく解説されているのですぐに実践として結びつけられるのも特徴です。
この本で学んだ言葉を少し意識するだけで、子どもたちの反応はきっと変わります。
そして、それはあなたの自信となり、保育士としてのやりがいをさらに大きなものにしてくれるでしょう。
この本は、きっとあなたの保育を大きく変えるきっかけになります。
ぜひ一度手に取ってみてください。

